●延命治療って・・・

きのう、かなちゃんの担当医に呼び出された。 最初の時点で遺漏等、延命治療は希望しないと伝えてあったけど、再度その確認だった。 つまりは、それが必要な時期になったということだ。 かなちゃんに会い、「ちゃんと食べないから、栄養入れないとダメだって言われたよ。」 と話したら どうも意味がわからない様子。「鼻からチューブ入れたり、胃に穴を開けて栄養入れたりってことだよ。」  と話したら 「やだやだそんなの。わかった、じゃ、ちゃんと食べるよ。」 とあっさりしたもんだ^^; お返事はとってもおりこうさんなんだけど、それができないから困っているんだけどねえ・・ きのうは、話し合って来ますと言い、返事はしないで帰ってきた。 今日11時に返事をする約束になっていたので行ってきた。 話の内容が内容なので、兄にも連絡して答えはまとめたけど、兄は仕事で来られず。 早い話が、病院としては遺漏をしたいのだと思う。そうとしか思えない話方だった。 鼻からの栄養補給ではなくて、あくまでも遺漏を勧めると言う。 確かに今のかなちゃんは、一時よりも頭はしっかりしていて会話も成り立つことが多い。 でも、だからって今の状態の時間を長引かせることが幸せなのだろうか・・・ 元々本人は元気なころ、おむつをして寝たきりになんてなったら早く死にたい。 チューブに繋がれてまで長生きはしたくないと言っていた。今、死を目前にしてどう思っているのか・・ 院内感染した時も、栄養補給を拒否しているからだと、まるでわたしのせいのような言い方。 そして、その菌が死なないのも栄養補給をしないからと、何でもかんでもそのせいだと言わんばかり。 遺漏を拒否するのなら、どんどん辛い状態になる覚悟はしておいてほしいとか、栄養失調で死ぬことになるとか、栄養補給しないのなら、ここまである命を、ここで止めるということになるわけで、(手を広げ、長さを示す動作をしながら)それを決めるのは病院ではなくて家族だとか、まるで脅されているような気持ちだった。 そんな言い方するのなら、すでにかなちゃんの命の ”ここまで” は過ぎているのでは? 動物は口から水や食べ物を取れなくなったら、身体が弱り死んでいくもの。それが自然の姿。 (完治する病気、若い人の場合はもちろん違うと思う) すでに平均寿命を過ぎているかなちゃんに、その選択をすることは許されないのか。 やせ細り、手も足も点滴の跡だらけでただ横になっているだけの今の状態を見るのだって辛い という家族の気持ちは、医者にはわからないようだ。 遺漏をすれば、最後が辛い状態にはならないとでも言うんだろうか。 最初のうち、まるでかなちゃんの命をわたしが意図的に終わらせようとしているような感覚になり、 思わず 「お願いします。」 と言いそうになったけど、そのうち怒りがこみ上げてきた。 そもそも、ここまで状態が悪くなったのは、大腿骨を骨折したから。 わたしは拘束をしていいですという書類にサインをした。 しかも、かなちゃんが骨折したのは夜。何で拘束していなかったのか! そのことに関しての話は何もない。たった一回だけ、看護士さんが 「すみませんでした。」 と言った。 元々は、そのことに関して病院側を責めるつもりはなかったし、今も思っているだけで言ってはいない。 拘束していなかったのも、かわいそうだと思ったからかもしれないし、その日はとっても頭がしっかり していたのかもしれないし・・ でも、担当医と話をしていると、こっちが何も文句を言わないからって、何でも言いなりになるとでも 思っているのかと、だんだんむかついてきた。 延命はしたくないと言えば、「今の状態はすでに延命をしている状態です。」 と言った。 それはわたしもそう思う。だからできるなら点滴もやめてほしかった。 でも、拒否させてくれなかったのは病院。病院としては点滴はしないわけにはいかないと言った。 その時点では院内感染もしていなかったから、拒否して退院してくださいと言われたら困ると思った。 そこで退院させ、自宅で看取るという形が理想なのかもしれないが、現実問題として、体力的にも 精神的にも技術的にも環境的にも、すべてにおいて無理。 転倒による怪我で入院して、それは治ったけど、院内での大腿骨骨折で寝たきりになり退院というのも 何ともおかしな話だ。 「最近は高齢者の遺漏に対しては、日本でも否定的な考え方もあるし、アメリカではすでにやっていないと聞きますが・・」 と尋ねてみたら、それはケースバイケースで、○○さん場合は遺漏を勧めるとあくまでもひかない。 遺漏して栄養さえ入れれば、体力がついてチューブも無くなり、リハビリもどんどんできて良くなるのにと まるで、それでも拒否するのかと言いたげ。 本気でそう考えているんだろうか。91歳で大腿骨骨折し手術、その後ひとりで立てたこともない年寄りが 遺漏をしたからってそんなに回復すると思っているんだろうか! しかも、大腿骨骨折前のリハビリの時だって、全然やる気がなくてスタッフさんを困らせていたのに。 医者には言いたい事がいっぱいある。 でも、看護士さんとスタッフのみなさんはとても優しくて、かなちゃんは今ここにいられることに いつもとても感謝しているし、幸せだと言っている。だから、できたら今さら転院だの何だのしたくない。 医者に言いたい事は、今は我慢するしかない。 「お断りします。これから辛くなるのは覚悟します。」 と言い部屋を出たら、なぜかわからないけど 涙が止まらなくなった。どちらかと言うと悔し涙のような感じだ。 そのままかなちゃんの部屋へ行こうとしたら、医者と話している時にそばにいた看護士さんがきて 後ろからわたしの肩を抱き 「大丈夫ですか? 今お母さんに会うとビックリしちゃいますから、もうちょっと落ち着いてからに したほうが・・・」 と背中をさすりながら優しく声をかけてくれた。そりゃそうだと思い、午後出なおすことにした。 わたしはただ平穏死を望んでいるだけ。人間らしく終わってほしいと思っているだけ。 かなちゃんの希望になるべく沿いたいと思っているだけ。 それなのにまるで、安楽死を選択したような気分だ。 いや・・安楽死のがまだましなのか・・・今すぐ楽にさせてあげられるんだから・・・・・ 医者は誰のためを考え医療方針を決めるのだろうか。 医者は患者をどんなかたちででも生かせておくことをベストだと考えているんだろうか。 家族の負担となるような言い方が許されると思っているのだろうか。 患者の命さえ繋げば、家族がたとえ精神的に病んでもいいと思っているのだろうか。 病院経営のためですか? と勘ぐりたくなる。 将来ねえちゃんに同じ思いはさせたくない。遺漏は拒否をするという意思表示を免許証といっしょに 持ち歩こうか・・って、そのころ免許証は返納しているね。 老人医療費でいずれパンクするであろう国民健康保険。そのうちいろいろ変わってくるのかもしれないけど、老人医療で成り立っているような病院や会社から献金をもらっている政治家がちゃんと考えてくれるのか不安だ。 自分たちは親を平穏死させてあげるコネもお金もたんまりあるだろうから。 っつか、親ではなくてわが身の問題のような年齢の政治家も多いか・・ 保険外治療で高額の支払いに苦しんでいる人たちに、治療を断念している人達に、老人医療にかかっている保険料を回せたらいいのに。 もちろん家族がとことん望むなら、たとえ100歳過ぎていようが、保険で遺漏でも何でもしていいと思う。 今現在、どれだけの家族が高齢者の遺漏での延命を望んでやっているのだろうかと思う。 明日が平日オフで良かった。近所のわん友が、生協の配達されたものを冷蔵庫にしまっておいてくれると言ってくれたので、明日の夜はワンパラ泊。気分転換して来よう。 (10月27日 追記) 日本尊厳死協会というとこへ、資料請求をした。 近所のわん友のお父さんがそこの会員だったので、亡くなるとき、会員証を見せたら、医者からガタガタ言われなかったと聞いたから。おそらくこのまま独身でいるであろう我が娘。たったひとりで同じ苦労はさせたくない。